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自社株式の生前贈与についての提案書
  
自社株式生前贈与のメリットとして以下の4点が考えられます。

(1)毎年110万円の贈与税の基礎控除枠を有効に使い相続税を節税することができる


平成13年より贈与税の基礎控除の枠が贈与を受ける人一人当り60万円から110万円と引き上げられました。まだ十分な引き上げ額とは言えないかもしれませんが、この贈与税の基礎控除の枠を毎年利用することにより相続税の節税を行うことができます。

(設例)オーナーの財産の総額が7億円、相続人が配偶者と子供2人とした場合の相続税節税効果の検討

1.贈与を何も行わなかった場合の相続税の合計額  ⇒9900万円

(注)相続税の基礎控除8000万円,配偶者の税額軽減を最大限に適用した場合の相続税の合計額です。(以下同じ)

2.相続人3人に110万円ずつ自社株式を贈与し、財産の総額が6億9670万円になった場合の相続税の合計額

                                   ⇒9825万円

基礎控除額110万円の範囲内の贈与については、贈与税はかかりません。贈与税がかからない範囲で贈与を行った場合でも相続財産は減少しますので、税負担なしに

              9900万円−9825万円= 75万円

の相続税の節税効果があります。
(注) 基礎控除額を超える贈与を行った場合でも、贈与税の負担税率が相続税の負担税率以下となる範囲内で贈与を行えば、贈与税は発生しますが、贈与税以上の相続税の節税になります。
(注)相続開始前3年以内になされた相続人に対する贈与分は、相続税の課税対象に一度取り込まれますので、3年以内の贈与に限り節税メリットは贈与後の株価上昇分のみとなってしまいます。(相続人以外の孫への贈与は有効です)

(2)贈与は相続人以外にも行うことができる

相続は遺言がある場合を除き、相続人以外に財産を相続させることはできません。
しかし、贈与は相続人以外の方にも行うことができます。つまり相続人にはならない孫にも贈与を行うことができ、節税メリットはさらに大きくなります。
(注)上記の設例の場合、さらに孫一人につき110万円の贈与を行うと相続財産がその分減少し、孫一人につき相続税額24万円の節税となります。
また、孫への贈与は上記の父→子の相続税を減少させるだけでなく、相続税を一代回避することができます。
つまり、父→子→孫と財産が代々相続される場合、子→孫の相続においても子の死亡の際に再び相続税が課税されるのですが、父→孫へ贈与を行っておけば、その贈与された財産については、子の死亡時の子→孫の相続税の対象にはならず、その分さらに節税効果は高くなります。

(3)株式の評価額の上昇に伴う相続税の増加を抑えることができる

自社株式の評価額が上昇する要因として、利益の増加、配当の増加、類似業種の上場株式の株価上昇、会社所有の不動産・有価証券(子会社株式等を含む)の価格上昇等が考えられます。
将来に向けて、会社がますます成長を続け、さらに上場株や土地の価格も上昇に転じれば、自社株式の評価額も何倍・何十倍と跳ね上がることが予想されます。
従って、現金等のように将来においても価値の増加しない財産よりも将来価値の増加するものの贈与を先に行った方が相続税の節税メリットは格段に大きくなります。

(4)贈与の手続が不動産に比べ簡単である

将来価値が増加するかもしれない財産として不動産もあります。
ただ、不動産を贈与するためには贈与契約書作成のほか、登記を行う必要がありますので、贈与に伴い登録免許税、不動産取得税、司法書士の手数料等の付随費用が発生します。
この点、自社株式の贈与は基本的には贈与契約書を作成し、株主名簿の管理をきっちり行い、配当を株主名簿のとおり適正に行うだけで済みます。
従って、贈与の手続の面では不動産よりも株式の方が手間も経費も少なく済むというメリットがあると考えます。

(5)結  論

まず、現在の状況で自社株評価をきちんと行い、オーナー所有自社株と他の財産を合算し相続税がいくらになるのかを把握することが大切であると考えます。そして将来の相続税額を予想することにより、納税資金の問題やさらなる具体的な自社株対策が見えてきます。そして自社株の評価引き下げ対策を考えるとともに自社株式贈与を出来るだけ早い時期から始め10年、20年…と毎年着実に行うことにより、かなりの相続税を節税することができます。早い時期から自社株・事業承継対策を行うことが何より一番の節税になると考えております。
土地や上場株の時価が低迷しており、それに連動して自社株の評価額が低くなっている今の時期が事業承継・相続税対策を行うのに絶好の時期であると考えます。

(6)相続時精算課税制度との関係

平成15年より相続時精算課税制度が導入されました。

この制度の基本的な概略は60歳以上の親から20歳以上の子に対する贈与について相続時精算課税制度を選択すると2500万円までの贈与に対して贈与税は課税せず、贈与を行った財産は相続税の申告時に贈与をした者の相続財産として相続税の課税対象と考えるという制度です。

そして、この制度を選択した場合はその親からその子への贈与については110万円の毎年の贈与税の基礎控除の枠は相続開始時まで永久に使えなくなります。
ですので相続税が将来発生するであろう親から子への贈与を考えた場合、いくら贈与しようが相続税の課税対象として取り込まれますので、贈与を受けた財産が将来非常に値上がりするとかいう状況がなければ、毎年使える贈与による上記のような節税効果を放棄する選択であるとも考えられます。

従って、相続時精算課税制度を選択するかどうかは相続税対策上の重要なポイントであり、一度選択すると撤回できないものであり慎重な検討が必要になります。

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